約束
ふるる

どうして
約束を
結ぶと言うのだろう

つないだ手は
結び目のよう
雨に濡れると
もっとかたくなる

強くひっぱって走った
雨の檻つづく
強くひっぱられて走った
かたく

絶対にほどかないよ
絶対にほどかないわ

痛いし
黒い雲があって
少ししか見えないから

離れてはだめだよ
離れてはだめよ

でも
ああ
雨の檻は
ぱらりと晴れたりして
黒い雲は
ほそほそ行ってしまい
ふんふん暖かくもなったりして
ふと緩んで
ふとんで寝たり

結び目はほどかれて
約束もほどかれて

あんなきつい約束なんて
無理だった
無理だったわ

もう、
いいよね

今日は黒い雲はどこにも
おなかを守るおかあさんのような夕日
あったかい

並んで歩いていれば
影法師二つ

自然に結ばれる指


自由詩 約束 Copyright ふるる 2007-08-10 12:09:36
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