夕日
ワタナベ


美しくない夕日などあったでしょうか
山の稜線に影を落とし
上空を見上げれば
雲が山の彼方から淡い橙色に染めあげられています
山と雲の間を
黒い点のようなものが
こちら側からあちら側へ
静かに滑空していきます

儚くあっという間に
薄闇に飲まれてしまうこの瞬間
不自由の裏返しではない
純粋な自由があちこちにちりばめられています

両手の親指と人差し指で
四角くこの光景を切り取り
胸ポケットにしまう
今度君に送ろうと思います


自由詩 夕日 Copyright ワタナベ 2004-05-24 19:03:28
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