美しい国
小川 葉
その角を右へ
曲がればあるはずの
家までわたし
たどり着けなかった
その角を左へ
曲がればあるはずの
家まであなた
みうしなっていた
ガムを噛んでは
吐き捨てて
生きることとは
焼け野原で
まるで終戦の
記憶のようだった
自由詩
美しい国
Copyright
小川 葉
2007-08-09 01:02:38