白んだ夕焼け
ゆるこ

昨日まで人生はカオスだと笑っていた
伸びた爪を弾きながら
縮んだ背中を凝縮させて
大した呼吸もせずに
 
 
(含んだ脱脂綿は、明日は使えねぇんだ)
 
 
 
そうなんだ
 
 
溢れすぎた風呂の蛇口を捻るように
膨張した空気に身を投じるような
 
(むつかしさに)
 
 
縛られている気がしてさ
 
 
嘆く薄い世界は
やっぱりうすらわらいなんだ
 
緊張してしまってさ
削除されたくなるんだよ
 
空気の抜けた自転車で
車に飛込む夢をみる
 
泡沫みたいなはかなさに憧れる
それ 弱さだってさ
 
 
 
(かみさまかみさま)
 
何度唱えても
やっぱり変わらないんだよ
 
今日はやっぱり現実でさ
明日はやっぱり白紙なんだ
 
 
憧憬に陽が差す
黒塗りの自分から脱皮してさ
ほら、四角窓
 
やさしいそら


自由詩 白んだ夕焼け Copyright ゆるこ 2007-08-08 18:34:42
notebook Home