ただいまを言うように
Porter

少しずつ
明かりが点り始めた街を
歩道橋から眺める

気ままな
散歩の途中で

緩やかなカーブを描いて
線路の上を走る電車
朝に出掛けた人達も
またこの街に
戻ってくるんだ

大きな交差点
信号が変わるのを
待っている人の群れ

その前を通り過ぎる車達
真っ直ぐに伸びた
道路を走り
やがて小さな
点になっていく

誰にだって
きっと
帰る場所がある

信号が
赤から黄
そして青へと変わり
帰路に着く人波

今日のどこかで
忘れ物をしたとしても
明日のどこかで
また取り戻せばいいさ―

幾つもの日常が
重なり合う景色

生き抜かずに
愛し抜ければいい

僕らの日常を

大事な人に
ただいまを言うように


自由詩 ただいまを言うように Copyright Porter 2007-08-08 02:05:17
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