物言わぬ共存者
由希

広い通りに一様に並んだ木々

同じ品種が
同じように剪定されて

まるで揃いの置物のよう

此処の木たちは
自由に伸びることすら許されない



アスファルトの植え込みで
色褪せている赤い花

当たり前だ

直射日光に焼かれて
耐えられる種類じゃない

嗚呼、絹を裂くような悲鳴が聞こえてきそうだ



それでも彼らは

朝日に生命を輝かせて

我々の心を
優しく癒している



哀れなほどに、深い慈悲で


自由詩 物言わぬ共存者 Copyright 由希 2007-08-07 12:00:25
notebook Home