狂人への警告
円谷一
星空を見上げると星空に磔にされ
星座達と同じ気分を味わう
罪を犯し 罰として世界中を回って己の醜態を晒すのだ
星空は刑務所のようで
糞尿は流星となるし 不安定な天候の中雨の流星群を打ち付けられる
人々はそれらの光景が美しいという そんなの間違っている
星空を見ない為に生き物達は夜眠るようになったのである
あのような美しいグロテスクなものは見ない方がいいのである
心が和んでしまうから
スパルタ教育ではないが心は常に苦痛に苛まれていた方がいいのである
そうすれば時間の流れと共にやって来る苦しみに耐えられるからである
それを苦行ととるかマゾヒステックととるかは自由だ
地獄に落ち苦痛を受けたいと思っている人は完全にマゾヒステックである
そうして進んで重大な罪を背負うようなことを行う
この古の星座達のように
そうして死んだ後遠い夜空に磔にされ 自らの全てを勝手に告白するのだ
その話は光となって虚しく過ぎてく時間をかけてこの地球に届く
地球に届く頃は虫に喰われて穴だらけとなっているだろう
それは大地となり空気となって雑草を生やすのだ
その人の心によって醜い形になるかそれとも美しい形に変わる
害虫にもなったりする それを見た子供が悪い心を持って罪人の夢を抱く
そして星空に磔にされたいと思う
罪ならなんでもいい できれば万物が不幸になるような大きい罪を
破壊兵器を投下させるのもいいし 植民地の人々を大量虐殺するのもいいし 地下鉄で毒ガスを撒いて殺戮をするのもいいし 無差別に生物達を殺していくのもいい
できるだけ後には戻れないような絶望が心を殺すように 一番の被害者は自分であるように
そうすれば煩悩の果てに楽園を見いだし 死後星座となるであろう しかしこの詩は罪を助長しているわけではない 一部の狂人に対する警告である どうして神によって美しい姿の星座にされるか分かるであろうか? 美化することによって罪の大きさ 深さ 残酷さを浮き彫りにする為である 星座は美しいだけで 人々に役に立つことしかできない 人の心を癒したり道を外れないように目印になったりとだ それらとは裏腹の心と正義の心が擦り合わさってストレスと絶望と後悔の垢がこぼれ落ちるだけだ そして 感情の一個一個が孤独に陥り 心が改まるまでそして罪相応の歳月が流れるまでじっと耐え続けなければならないのである そしていつの日か星座は死滅し 天国へ行くことができる そんな人間にも神は平等に扱って下さるのである 我らの神に幸福あれ!