宇宙ツツジヶ丘
瀧田 右恭

宇宙のツツジの咲くあの丘で
水晶の風が吹いたら目を覚まして

この夢はここにしか咲かないから
朝焼けを待たないで羽ばたいて


君の中で
孵化していく翼


歪んだ夜の積る
群青の月明かり
手紙を受け取った
左手が細かく振れる
あふれる光からの招待状は
高鳴る心臓一つ
赤く染めゆく


宇宙のツツジの咲くあの丘で
飛べるような気がしたら顔をあげて
涙で心が濡れて飛べなくても
弱った鼓動を癒やす雨だから

君の瞳
向こうにある光

沈んでいく夕陽の
残像が道にも見える
逃げ道ばかりが目の前に現れてる
出口のありかは無い
迷路だから




宇宙のツツジの咲くあの丘で
心臓が熟したらすぐ飛び立って
火照った瞳で世界を見れば
湧いてくるのは汗だけじゃないから


君の腕に
包まれている強さ



宇宙の片隅から祈ってる
いつか誰かと誰かが出会うこと

一億の奇跡くぐりぬけて
作られるそれは命の軌跡




宇宙のツツジの咲くあの丘で
水晶の風が吹いたら目を覚まして
この夢はここにしか咲かないから
夕焼けが終わる前に会いに来て


宇宙を全部飲みつくすくらいの

いつか広げて 

(会いに来て)
(出会って)
(生まれて行く)
(軌跡が奇跡になる瞬間)
(君の中で)
(心臓がうねり)

(きっと)
(飛べるよ)



自由詩 宇宙ツツジヶ丘 Copyright 瀧田 右恭 2007-08-06 20:08:18
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