My Heart Never Tell Me The Truth
南ススム

僕は愛と平和がほしい
でも何か大切なものを
見落としている気がする
何を忘れてしまったんだろうか
何を捨て去ってしまったんだろうか
僕の心が真実を語ってくれない

星条旗が風に舞っている
風は東から西へと
淀みなく吹いている
でも旗を持つ人間は何処だ
人間の住む街は何処なんだ
風は決して東には吹かないのか

平和で正義が騙られている
平和で人々が殺されている
このやりきれない矛盾はなんだ
この行き場のない虚しさはなんだ
僕の目の前で泣いている
この子は誰なんだ

僕はユダのようにはなりたくない
ましてやキリストのように
なりたいわけでもない
でもほんの少しなら
分けてもらえるならば
キリストのような優しさが欲しい

遠くで雷鳴の落ちる音がする
稲光に誘われて走り出す自分がいる
どこか間違ってはいないか
理性が僕に話しかける
僕は偽善者と呼ばれても仕方がない

面白くない人間とは関わりたくない
活用できる人間だけを友達と呼びたい
笑えないぜ 腐れきった世界
ジョークにもならない失われた時代
誰かのせいだとしか考えられない

毎日、毎日矛盾が繰り返されて
人々は地位を守ることに
必死になっている
誰に侵されるというのか
誰が咎めるというのか
こんな住みにくい世界に着いて行けない

一円玉に愛を込めている人
毎日の祈りに平和を込めている人
でも何か忘れてはいないか
何かを捨て去ってはいないか
君の目の前で傷ついている
その子は誰なんだ

幸せが人々の知らない場所で
踏みにじられている
そしてそれを見た僕は
怒りを忘れようとしている
何が正しいのか
何をすればいいのか
僕の生きて行く道はあるのか

僕の中に色んな奴らが入り込んできて
そしてそのどいつもこいつもが
くそったれている連中なんだ
どうして僕はここから逃げ出さない
どうして奴らの口を塞ごうとしない
何故、どうして心を許してしまうのか

彼の話はでたらめだと信じたかった
でもそう考えられるほど
強い心を僕は持ってはいない
だからどうしろというのか
強くなくてはいけないのか
僕という人間は
自分を語ってはいけないのか

彼はいつも狂った振りをしている
毎朝、毎晩殺しの算段をしている
誰が答えるのか
誰が喜ぶというのか
本当のことは知らないほうがいい

彼らはいつだって
悪魔にとりつかれている
狂喜の自分と世界に酔いしれている
僕には関係ない
そんな強さなんか欲しくない
君も耳を塞いで寝てしまえばいい

遠くの方で誰かの泣き声がする
でもそれは僕の知っている声じゃない
家では家族が待っている
楽しい夕食が待っている
そして家ではいつものように
神に祈っている

人間を終わろうと
何度も思って生きて来て
そして人間以上の何かに
すがりつこうとして来た
どれだけ苦しめば
どれだけ嘘をつけば
楽園と呼ばれる場所へ行けるのか

僕は愛と平和が欲しい
でも何か大切なものを
見落としている気がする
何を忘れてしまったんだろうか
何を捨て去ってしまったんだろうか
僕は大切なものを
見落としている気がする

平和で正義が騙られている
平和で人々が殺されている
このやりきれない矛盾はなんだ
この行き場のない虚しさはなんだ
僕の目の前で泣いている
この子は誰なんだ

愛の前で泣いている
この子は誰なんだ

平和の前で泣いている
この子は誰なんだ

僕の心が真実を語ってくれない


自由詩 My Heart Never Tell Me The Truth Copyright 南ススム 2007-08-04 21:47:40
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