ハルシオン
葉流音

 
いつしか
心の安定剤
そこに
君を位置づけていた
 
君も僕と同じ
いつも笑っているわけでは
ないのに
いつも優しいわけでは
ないのに
 
都合のいいように
目隠しをして
見ないふりを
しようとしたんだ
 
それがどれほど酷か
僕は知りたくなかった
 
いや、
 
知っているからこそ
塞ぎたかったんだ
目も 耳も
 
愚かな行為に
酔い痴れて
幻を
見ていた
 
見上げた君の顔は
複雑に
歪んでいた
(気がした)
 
 
それはきっと
正しかった
 


自由詩 ハルシオン Copyright 葉流音 2007-08-03 00:06:31
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