平凡なお別れ
松本 涼
平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ
偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう
覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられるのは
同じ旋律で湿らせたはずの
おぼろげな砂の記憶
鈍い日暮れに見上げた雲の残像が
それさえも不確かな世界へと
連れていってしまうけれど
たったひとつも残さないやり方が
お好みならば
それは君に任せるよ
自由詩
平凡なお別れ
Copyright
松本 涼
2007-08-02 20:44:55
縦