繭の部屋
アハウ

黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ

大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら

夕闇の光で織る
繭玉を吐き出しつつ

この部屋が銀色に輝く
金糸銀糸に満たされて

ゆっくり ゆっくり
その世界を醸し出し
外界と蕩ける交感をする

そんな 悦楽

夕闇はみるみる 切迫するように 
その色を移し 
昼のフィナーレは惜しまれて

今 閉じる

わずかに黄昏の匂いがする
この部屋で

私は世界と交感するための
繭玉を織っている


自由詩 繭の部屋 Copyright アハウ 2007-08-02 16:52:47
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