操った愛の終わり
青井 茜
爪先で
ぐんぐん進む兵隊さん
胸先に
ばんばん撃ち込む銃弾くん
脅えたあなたは
「はい」
を言って
(無理矢理と思わないで)
勘違いの鬼は
「だめ」
を与えた
(我が儘を受け入れて)
指先で
顎をひけば艶めいて
旅先の
雰囲気妙に謎めいて
潤んだあなたは
「うん」
を産んで
(力付くは承知で)
はやとちりの神は
「いや」
を捧げた
(泣いたものを貪るだけ)
がしゃんと割れたコップが
ふたつの苺を描いていた
自由詩
操った愛の終わり
Copyright
青井 茜
2007-08-01 00:58:28