空が滲んでいる
ぽえむ君
空が滲んでいる
夏の午後の昼下がり
遠くからだんだんと自分の方へ
その暗闇が近づいてくる
あっという間に
滲んだのは空だけではなくなった
明確だった単語や熟語の中を
その雲は浸透してくる
世界を曖昧が支配する
つかみきれるものはなく
滲む音だけが聞こえてくる
基準となるものもどこにもない
空は絶えず滲み動く
言葉は動き止むことはない
世界の意識も薄らいでゆく
ずっと向こうにある空で
言葉が直線になっている
自由詩
空が滲んでいる
Copyright
ぽえむ君
2007-07-30 20:01:02
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