ノーネーム
優飛

なんとなく
名前を忘れたら
気持ちが楽になった

苦しみもなくなって
痛みもなくなって
しがらみもなくなって

名無しも悪くない
まるで自由みたいだなって
思えたのは束の間

理由もなくなって
必要性もなくなって
意味もなくなって

喜びもなくなって
安らぎもなくなって
繋がりもなくなって

指の隙間から
大切なものが
どんどん零れ落ちて
失う物が多すぎて

あわてて付けた
ネームプレート
存在の証明

少しの束縛感
大きな安堵感

と同時に
思い出したのは
名前に彩られた
私が私である事の自由







自由詩 ノーネーム Copyright 優飛 2007-07-30 07:16:23
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