その森
たもつ



掌の木々が育ちすぎてしまったので
部屋はまた落ち葉で満たされていく
金属疲労した喜びのような朝焼け
台所の隅にある停留所で
君は名の知らぬ街へ行くバスを待っている
その靴は曇り空の下を流れるライン川の色を湛え
僕らの「さよなら」は反転する
落ち葉の裏
もしくはその辺りで





自由詩 その森 Copyright たもつ 2004-05-22 17:33:52
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