深夜、煩わしい光の果てに
青井 茜

 
 
貴方の呼吸が掠めるだけで
私の芯は熱を増す
もどかしい想いに
指先が悩ましげ
 
貴方が瞬きをする瞬間で
私の奥は影を作る
はやりだす想いに
唇が熟して
 
 
 
は、や、く、た、べ、て
 
 
 
懇願の上目使いも
所詮虚に浮かぶだけ
 
見慣れた天井が
くねらせた身体を眺める
 
 
見えない仕種も
跳ねた笑いも
貴方の為にあるのよって
二度目の囁き
 
それさえかい摘まんで
貴方好みに召し上がれ
 
 
 
揺れているのが何なのか
わからなくなった頃に迎えに来て
 
貴方が掌を隠す程の動作で
私は
夕暮れと朝焼けの間に
淫らに溶けてしまうから
 
 
零れたものを拭い取るように
 
そっと
 
 
 


自由詩 深夜、煩わしい光の果てに Copyright 青井 茜 2007-07-29 13:49:54
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