いのち
乱太郎

いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて

いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばしたくて

いのちは
眠ることはない
ぼくらが
夢の中で戯れている間も
じっと
出番がくること
夢見ている

僕のいのちは

うぬぼれるなよ
お前のいのちではないんだよ

呟いているのが
聞こえてくる

みんなにあたえる
いのちだって


自由詩 いのち Copyright 乱太郎 2007-07-29 10:40:52
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