君に会いたい
たけ いたけ



真夜中ですら
ザラザラとした
大通りの
卑猥な笑いが裏返り
囁き合い
頷きを忘れるほどの
原始に出会う

骨が抜かれ始め
誰かが忘れていた悲鳴を
高々と上げる

町中の看板が炎に変わり
君たちが物陰に逃げ帰るときは
怖がらずに
鉄パイプを投げつけよ

ジグソーパズルを組み立てながら
待つ
待つ
待つ待つ待つ

ただひたすらに
あの日のことを繰り返し
ずっと前から炎上し始めている
画面にそれを再生させながら




乾いた合鍵が発見された
画面が燃えたまま
生き残った
そして
ネズミとの生活が始まる

明日もしや
大量殺人の力を手に入れられる

一向に手に入らない円盤を
一向に忘れることが出来ない
そのまま
地べたを舐めさせられる

嗅いでいた
と意識がなくとも
腐敗に似た花の匂いが
体に蔓延していた




獣の匂いはズボンに染み付いたが
洗濯する間
つよく意識した

情けなく落ちた
領収書のあれこれも
木の葉のように厚みを増して

霊柩車に見取られながら
仕方なく昨日を引き継ぐ

あの店員の呼び込みに
応えることがいいことのようだ

町がうろうろしている

胡乱な目を交換するとも
青空に代わり映えはなかった

そしらぬ振りして
石鹸を擦りながら
臭いをかぐ
電話機の
スカートの
猫毛の
車のバンパーの
砂埃の
君の陰唇の



未詩・独白 君に会いたい Copyright たけ いたけ 2007-07-29 01:13:56
notebook Home 戻る