君に会いたい
たけ いたけ
1
真夜中ですら
ザラザラとした
大通りの
卑猥な笑いが裏返り
囁き合い
頷きを忘れるほどの
原始に出会う
骨が抜かれ始め
誰かが忘れていた悲鳴を
高々と上げる
町中の看板が炎に変わり
君たちが物陰に逃げ帰るときは
怖がらずに
鉄パイプを投げつけよ
ジグソーパズルを組み立てながら
待つ
待つ
待つ待つ待つ
ただひたすらに
あの日のことを繰り返し
ずっと前から炎上し始めている
画面にそれを再生させながら
2
乾いた合鍵が発見された
画面が燃えたまま
生き残った
そして
ネズミとの生活が始まる
明日もしや
大量殺人の力を手に入れられる
一向に手に入らない円盤を
一向に忘れることが出来ない
そのまま
地べたを舐めさせられる
嗅いでいた
と意識がなくとも
腐敗に似た花の匂いが
体に蔓延していた
3
獣の匂いはズボンに染み付いたが
洗濯する間
つよく意識した
情けなく落ちた
領収書のあれこれも
木の葉のように厚みを増して
霊柩車に見取られながら
仕方なく昨日を引き継ぐ
あの店員の呼び込みに
応えることがいいことのようだ
町がうろうろしている
胡乱な目を交換するとも
青空に代わり映えはなかった
そしらぬ振りして
石鹸を擦りながら
臭いをかぐ
電話機の
スカートの
猫毛の
車のバンパーの
砂埃の
君の陰唇の