「若者の生命」 高久健一
相良ゆう

{引用=
生は伝統の中にある。
人間の伝統、民族の伝統、学校の伝統等・・・
・・・然し生の偉大さは国へのつながりにあると言ってよい。
生の発展ではなく継承にあるのだ。

私達はその伝統の中に於て如何に反逆してみてもそれは不可能である。

内村鑑三が「俺が此の国に生を享けたのは偶然であり、俺の与り知るところではない」などと言っても
彼の血の中には受継された国の血潮がある。
そしてそれを否むことは出来ない。

人間の博愛などといっても、人間が伝統を否定し、歴史を無視して、世界人のモラルを確立することを願ったのは尊い事ではあろうが合理主義の果敢な錯覚であり、没落であった。

生きている。――その事は論理や主義に遊んじているには余りにも烈しい祈りであり、詩であり、慟哭であり、そして決意であるのだ。
詩うこと、祈ることは常に批判を超克している。




未詩・独白 「若者の生命」 高久健一 Copyright 相良ゆう 2007-07-28 23:52:46
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