容器
A道化









ねえ、
地下鉄の中の私の中の
柔らかい容器を満たすアルコールの中でゆらゆらする
ぬるい両生類みたいな内臓が既に私を憎むことを始めている
グヮ、グヮ、グヮ、そうだ、
憎めばいい、もっと憎めばいい、グヮ、グヮ、グヮ、もっと
握り締めたつり革が硬いくせにぬるい、けれど
手のひらの中もしも何かが柔らかくぬるければ、それでは、
それでは私が泣いてしまうから、硬さを、
硬さを、硬さを、
確かめるためにもっと握り締めて憎むようにもっとぎゅっと
憎まれながら垂れ下がるつり革から垂れ下がる私は内臓に憎まれ
止んで欲しい地下鉄が夜が夏が、ぬるくて
ああ、
止んで欲しい、土に埋もれながら土の過ぎるのをじっと待つような
地下鉄は、夜は、夏は、私は、全て全て徒労だろ? だから、
確かめたいのだ少しも泣かずにただ硬さを、どうか、
硬さを、硬さを






2007.07.27.


自由詩 容器 Copyright A道化 2007-07-27 23:17:03
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