英霊たちの午後
アハウ

巡り来る また 夏
六十年の時

英霊と戦争で亡くなった 
全ての人々へ

鎮魂の思いにとらわれ
この 暑い日々に
あなた方を 偲ぶ

神風が吹くと信じて
現人神の帰依に
恋人のために
散った 英霊

君たちの戦後は
この暑い夏の 午後は

我らの繁栄と
子々孫々の栄華をみて 君らは

あの遠い山のむこうから
黄泉の姿など見せてくれ 神々よ

敗戦の日に不戦の誓いを立てていた 我ら 
それを 君らは見つめていた
目的を完遂する 眼差しで

一度 事を起こした時の
究極の結果を示しきった 君ら

十八の青年が二十歳で散るとは
愛する者たちのために散るとは

他者のためでなければ
散る意味が見出せない

他者に対する絶対帰依
英霊よ
君たちの世界は益々透明だ

他者の為でなければ絶対に死ねない
これが 真実の姿

十八の青年が二十歳で 散る


自由詩 英霊たちの午後 Copyright アハウ 2007-07-27 09:21:12
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