夜明け
木屋 亞万
鶏が屋根で鳴いている
風見鶏が朝の方を向いて
窓から海を覗く
明けなずむ空は
緊張感の狭間
じっと見つめる
こげ茶の目2つ
隣では年老いた夜
足を三角に折って
星を片付ける準備
陽気な熱で
線ががふやけ始める
水平線に綻びが走り
星は素早くカーテンを閉めた
夜は少年の変わりに
ベッドで安らかに眠りについた
海が機嫌を直して
朝日が解放された頃
少年はパンを買いに出かける
火をいっぱいに吸い込んだ
こげ茶焦げ目のバターロール
風見鶏が昼に向けて半回転し
走る背中を見送った
自由詩
夜明け
Copyright
木屋 亞万
2007-07-27 01:00:08