思い出
小川 葉

生まれては消えてゆきます片恋は炭酸水の泡の数ほど

もくもくと瞼の裏に夏の雲夕立のあと虹ふたつ

遠雷におびえる硝子風鈴の母を呼んでるかぼそき声

はてしなく走る草原夏の日の思い出は今ポッケの中

途中下車改札口ですれ違うあなたによく似たセーラー服

その角を曲がれば見えますくれないの夕日に染まるわたしの家


短歌 思い出 Copyright 小川 葉 2007-07-27 00:05:51
notebook Home 戻る