前兆で泳ぐ魚
那津
無知は孤独を理解できない
彼は言った
私にはただ、昨日のキスのように思える
暖かい気がして、いいえ、それは確かに暖かいのに
温もりは消された
振り返って、それからまた胸騒ぎを抑える
カレハイッタ
その世界は表せない どんな和音でも、一歩踏み込んだ音域にも
踏み込ませない
世界は意地が悪くつり革にも悲しみが宿る
「ノリの良い曲をかけてくれ」
「あなたを愛しているわ」
どちらともつかない、闇は鞭を振るう
「ノリの良い曲をかけてくれ」
「あなたは私を愛していないから手首を切る代わりに高い場所から景色を見たり折合いのつかない世界を渡ろうとしたり総ての場所に力はあるなんて革命家やアメリカ原住民族の酋長みたいなことを風に乗せて伝えようとしてそれでもやっぱり何かに頼って夕方には仲間とギターを弾いたころの事を思い出して結局精神の向上だけが自分を救うと信じて世の中をかき回すために扇風機が回ってやっぱり乾いた世界で魚は生きていけない」
そうしていないと死んでしまうサカナは孤独を理解し
枯れ葉行った
そうしていないと死んでしまうサカナは
「無知は孤独を理解できない」
酷な事を言う
外国で創ったウタはみごとに孤独を無視した