さかさま電柱の海
月見里司

ちいさな頃書いた、日記のように
空を何度もみた
いそがしいんだ、私

匂ってくる
なにもない、があるよ
との言葉に
泣きたくなる
こんな、ありきたりで、

罵ってください
むかしの話をしないように
ねえ、
目が霞んでいる

とっても悲しいこと
すっかり
干からびてしまいたい
しまいたかった
しまえないような

しまうのか

これから、いつだって
溢れているのに
にごった海水も

水槽に入れて
アパートに持ってかえる
上澄みができるまで、ゆっくり
ながい間

結局刺さっている、


//2007年7月16日


自由詩 さかさま電柱の海 Copyright 月見里司 2007-07-24 13:06:37
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