モリマサ公

軽いものからゆっくりと重力を失いながら空中に溶けていく
見えなくなっていく
オゾン層のところでオゾン層を破壊しながら
悪意が宇宙に滲みだすが
宇宙の方では自業自得くらいにもおもわない
地球はほんとうに砂漠の砂の一粒


重いものは重力を振り払う事ができずに
よりそいながら固まり始める
昨日はついに
だしっぱなしの食器やおもちゃや絵本を
真夜中に乱暴にかたしながらリビングの絨毯につっぷして大声で叫んだ
言葉にできない
つーかその自分ができないのがいやだ
頭は痛いし腹がたってるし死んで欲しい人が超一杯
クーラーの温度とか食器を下げるタイミングとか服のセンスと人の悪口
「精一杯やってるつもり」「神様じゃないんだから」
人類って?何?
つか人類って何様?



雑踏が好きだ
ラッシュの電車が好きだ
静かなジャングルにいるみたいで生命がうごめいてるのが密接にわかる
あたしは隣の会社員の背中に耳を押し付けて血液の流れる音や
心臓が古いものと新しいものを瞬間に入れ替える爆発の音を聞く
あるいは
あるいは
無人島で詩人をやりたいという高校生の原始人より頭が悪いその事実に
きづかないでいるしあわせな 家族たちが
とってもていねいに漂白された根菜かなんかを食ってる 手入れの行き届いたOLの肌を
時速70キロで移動しながら見つめてる
自動改札を自力か磁力でぬけながら
父親や母親に似たホームレスの広げる新聞に妹に似た少女の写真をみる
つみかさなるゴミ箱からひろった週刊ジャンプの元気のない表紙が風でめくれる
行方不明になったわたしたちの犬の捜査願いを各ブロックにみかける












自由詩Copyright モリマサ公 2007-07-23 22:45:03
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