塊の倦怠
白昼夢
空に不穏なコンクリートが飛んでいたとき
電信柱の足元の花は飛んでいく鳥の歌を行進していくカラスの群れ
夜の蛍光灯に集まる憂鬱が午後に花咲く草むらの倦怠
そして歩いていく灼熱の蜃気楼を
遠目に見ていたのだろうか
溶けていくコンクリート
液体になったのだ
夕暮れは山に落ちていく空を見ながら囀りが飛んでいく
どこにも帰る場所のない鳶は草むらで情事が言った言葉を繰り返す
そここそがあの電信柱の先端から咲く花の影
素足で歩いていくカオスがいない隙にドアの鍵を閉めると
寝ぼけ眼のコンクリートたちのざわめきが夜の月に飛んでいく影を見る
朝の欠伸に毒を盛って
狂った秒針の613秒が今日も倦怠な音符の夢遊病
歩き出した長針の折れ曲がったそれを見て彼女は昇華した
崩れていく液体の川に流れていく様子は
信号機が黄色いシートに包まれて置いてあるのを
固めた土から綺麗な憂鬱が滲んできた
それこそがあの塊に飛んでいく死人たち