濁流
shu
ココハドコダ
雨が降っている 
気持ちいいぞ 
もっと降ればいいと 
空を見上げて 
太陽はあまりにまぶしくて
手をかざすと色が失せ 
黒い輪郭に透けた悲しみが揺れる 
だから 
かざす手など要らない 
影など要らない 
雨でいい 
知らん振りした 
透明な雨に打たれて 
イクツモノ
アイヲコロシタ
おれの中に沁み込んで 
優しいフリをする記憶なんか 
そっくり地面に 
流れてしまえばいい 
緑が霞む 
花が霞む 
おれもかすんで 
雨になる 
じっと耳を澄まそう 
さらさらと優しく 
時に叩くように 
痛みを伴って落ちる音 
轟々と流れる音
ココハ 
オレノナカヲナガレル 
ナツカシイ カワ
汚れた 
川 だ 
その深さを 
おれも知らない  
 
