でも愛らしい乙女
きりえしふみ

 君のクチビル お喋りな小鳥
 喧嘩中のときは プンプン!
 凡そ美麗とは言えない音符を嘴から吐き出している
 (その) サマーコートの羽音からは不可解な羽ばたき
 喧嘩中の癖にくっつき虫みたい まとわり付いてくる
 君のクチビル キツツキの嘴
 (僕から寄ったら噛まれちまう!)
 君の嘴 毎日取り替えられる?赤!? でペイントされている
 華やかな唇 我が侭な唇

 君の唇はいつも美味しいものを求めて
 ざわざわしている 木々の葉っぱが上手に化けた
 年がら年中紅葉シーズン!だ 君の口
 罪作りな投げキッス
 いたいけな少年へ送信していたりする
 (……でもそれじゃあ年中春のクチビル)

 君のクチビル 甘えんぼの犬
 チカチカと両目 瞬かせて
 ?置いてかないで?と光るヌーディーなグロス
 仲良しのとき 僕の頬っぺた相手にお裾分けしてくる
 僕にペッタリ! ちっちゃい粒子の足跡を残しては去る
 君のクチビル まるでチワワの尻尾
 (一振りでああ僕を 上手い具合に操っちゃう!)
 
 君のクチビル ?甘い話?という種無しの実にご執心
 寄る辺ない小鳥
 今日もワンワン 臆病に吠え立てて
 僕にペッタリ! 赤い足跡 落とす子犬だ

 ©haine kotobuki 2007/07/21


自由詩 でも愛らしい乙女 Copyright きりえしふみ 2007-07-23 04:33:37
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