サマー・バター
さき

バター
今日も世界が溶けていく
幸せな
黄金オイル
バター
夏の愛が世界を救うってのは
きっと本当
だけど
それは決して
地下に眠る
黄金ではなく
手に出来る
黄金ではなく
心にある黄金色
バター
世界が夏の熱に恋している
君よ
その化身よ
君の黄金色の肌
君の黄金色のひとみ
愛してると何度いったら
足りるのだろう
溶け合える今日は
とても幸せ
寄せては引いて
切なく嘆く
波の音を
耳の奥で聞いていた
この熱
この体温
吐息までもが一つになって
夢であろうと現実だろうと
そんなのどっちでも
同じこと
溶け合う
溶ける
ああ
この感覚だけが
バター
私たちの愛だよ
バター
今日も溶けていく
バター
こんにちはの合図も
さよならの挨拶も
重なる手と手の熱だけで
溶け合う
溶けていく
今を手放し
形を忘れて
黄金色の
幸せなオイル

バター

君が好き

バター

この世の中で一番の好き

一番の夏

バター














自由詩 サマー・バター Copyright さき 2007-07-22 11:09:58
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