夜に埋もれた季節の涙。
鯨 勇魚
風鈴から、とまり木。
左手。の、平に現実を無くす。
薬水はかかせない。
灰色に近い、夜。の、区別を、
内緒の存在。を、確かめたい。
毎日のように縁側の風鈴です。
あちらがわとこちらがわ。
川を揺らぐ流れ。
掛橋は意識じかん。寸断。
とくら、
とくら。
それいがい、聞こえるのは、
想像無音の雑音。が、一定音域で叫ぶ。
そのまま、ねむらせてください。
あたしは不自由な精神。の、中から、
落書き寝言の、
本当。を、見つけては。
妄想。に、転換して苦しむのです。
部屋着の空気まぜっ返しては、
忘れの国が渦巻き羽虫が落ちそう。
そのまま、ねむらせてください。
あと幾回転したなら、明日。に、なりますか。
感情の振り子が、渦巻きが時間が。
存在定義で苦しめる時の、瀬波。
世界は卑怯だとおもいます。
自然体にあるがままにいたなら。
私信で傷つけるでしょう。
あたしには、
明日へと繋ぐ、左手の平。に、現実を無くす。
薬水はかかせない。
藍色。に、近い朝への区別を。
内緒。の、存在を確かめたい。
毎日のように縁側にさげたままの風鈴です。
−被災難民が呼んでいる。
眠たいです。
暖かい静かな夕暮れの、
空。の、下の景色。
天は刻みながら時刻として。
地は揺らいだのではない。
発破のような地震は。
人。と、いう。
被災者がセツセツと。
列を。あるいは、
火傷をした時と同じ瞬間で、
七月十六日。
十二時十三分。
新潟沖。で、発動。
直撃。を、知らない。
被災避難民を映し出す、液晶画面のように、第三者は薄っぺらいのか。
村があり、畑があり。
半袖の風が遊びまわり。
おしめ。が、足りない。
毎回の如く、活かされることのない実験舞台。
兵隊さん。
あなたたちは、そう呼ばれても、しかたない立場だろう。
見た目は自衛隊の風。
救済。その、夕暮れる、空間に喉が渇き、
死者の灰は、慌ただしい中。
ひっそりと、眠り。に、つく。
−原発の忘れ物。
煙るから、隠した。
人々への輝きの代償と、
反原発への流れから、
曝すのは高炉。
あれにやられたんだ。
チェルノブイリの影と
大戦から終幕の情景。
ねむらせてください。
あたしたちが知らないなら、
夢で見る現実へ。
とまり木を、折らないでください。
その音が嫌いだと、ふさぎ込む。
冷たいフローリングに足音が伝わる。
脈動へと変わる。それは、命取り。
既に皆様抱えているのですよ。
−燈籠流し。
とくら、
とくら。
濃密な暗がりに分かれていった。
過ちは。
つぶやき、そこを離れられないでいる。
赤々。黄色や翠色飾られた燈籠の、
立ち往生は、ひしめき合う。
つきつめた。逆流に見えた。
どさくさ紛れにあたしの夢もながす。
無数。の、風に揺らぎながら。
河原。にも、見えた。目礼を、思い出す。
部屋で一人。静かな、夜遅く。
左手。の、平に現実を無くす。
薬水はかかせない。
灰色に近い、夜。の、区別を、
内緒の存在。を、確かめたい。
毎日のように縁側の風鈴です。
あちらがわとこちらがわ。
川を揺らぐ流れ。
掛橋は意識じかん。寸断。
とくら、
とくら。
鳴るのです。