忘れぬ名前(ゆきぞうさんとの連詩です。)
ペポパンプ
南国のハイビスカス
青い潮風が吹く
ノウゼンカズラのオレンジが揺れる
わたしの 今の 心に似て
ゆらゆらゆらり
白いポピーの涙が
こぼれ落ちそう
しおれた朝顔も また泣いているようで
また朝には笑う
紫陽花が彩りを変えるように
私の心もボサノバの太鼓の音
可憐な露草が人知れず
健気に咲いている。美しい。
暖冬に惑わされた ふきのとう
黄色に咲いて 何を思うのか
ウツボカズラに捕われる虫のように
引き寄せられ思うツボ
抜け出せない繰り返しの日々
夜明けのトランペットを聞いて、笑顔で乗り切る
羊歯のベットは柔らかく
優しく包み込み、うたた寝をうつ
大きな古木のささやきを聞いて
生きている事をありがたく思う
ライ麦畑で 貴方に出会った。
少年と少女は麦を踏んで遊んでいた
大人たちは葡萄酒を飲み
子供はリンゴジュースを飲み
老人は芥子で余命を伸ばす
人生刺激が無くては生きてゆけない
踊り明かした朝
菊の大輪が一つ咲いた、大事に育て上げられた
祖父の皺だらけの掌で
私の頭を優しく撫でてくれた
忘れられぬ 花たちの名前
名も無き花は無い、皆名前がついている
私に名をつけてくれた
いつまでも本当の名前を忘れないでね。
2007.1.4.合作