星がキラキラ輝いている〜小話仕掛けの物語詩〜
きりえしふみ
僕たち・星は傷付きながらも 光っている
君たちの愛する このラピスラズリの大宇宙中
僕ら 大好きな人や 仲良しな人と引き離された
……いや 違うな
僕らは進んで バイバイしたんだ
地上のみんなじゃ 出来ないこと……僕ら・星のみんなで手分けして
大宇宙をしょいこんだんだ 小さな背中で
未だ拡がり続ける 大きな真っ青な子供を
あやすために 僕ら・星たち
本当に大好きな人々とも サヨナラした
毎晩 キラキラ=「大好き」と
信号を送り続けるのは そのためなんだ
だから僕らは 傷付きながらに 光っている
尽きない涙 身体中にまぶしては
悲しみを希望に変えているんだ
遠く 離れた恋人へ
チカチカ=(は) 「僕は此処だよ」
キラキラ=(は) 「君が大好き!」
そうなんだ 僕ら・星たち
のほほ〜んと空中遊泳、してなんていない
僕ら・星は
みんながみんな 「離れていても……」と
大好きな人 愛する人に毎晩
交信を試みる
……応答が途切れても
(そういえば お隣のゲンさん
恋人のサラさんに会いたくなって 我慢できずに
キスし合った途端 弾け飛んだって)
……だから僕らは 恋人にも会いに行けない
(そういえば 一キロ先のジイさん
足腰すっかり悪くして ついには この空
支え切れなくなったって)
……つまりはそれが 僕らの寿命
僕ら・星は 体に皹をつけながら
自分の持ち場を守っている
僕らの内の誰かが手を抜いたら
誰かがきっと 倒れてしまうから
だから いつもいつも全力! さ
でもね
君たち・地上の人だって
森だって 草だって
蛙も キリンも
みんな そうなんだよ
(……逆さまに 見えてるけどね)
みんなで地球を 背負っている
誰かが欠けたら何処かで誰かが
駄目になっちゃう……うらぶれてしまうんだ
君たち・人は歩いているけど
歩かない花たちとも 手分けして
地球をおぶってる
みんな 忘れているけど
みんながみんな 友達だからだよ
誰かのために 頑張れるのは
ほんとうは君ら
僕たち・星と 本当にそっくりなんだ
頑張る人ほど キラキラしている
「大好き!」って キラキラしている
(c)haine kotobuki 2007/04/24