祖母のこと 2007年7月 〜 祖母からのメッセージ
北大路京介

明日、現代詩フォーラムの会議室『関西好きやねん会』のオフ会があるわけですけれども。。。

祖母宅に行きまして、
「明日、現代詩フォーラムで短歌とか書いてる人たちに会ってくるねんけど」

話をはじめまして、祖母に「なにか皆様に伝えることはない?」と尋ねましたら、語りだしました。

祖母の話す言葉を出来る限り メモりました。

うまくまとめきれませんでしたが、参考になればと思い、祖母からのメッセージ(?)を紹介します。

これを読んでくださってる皆様も生きていれば必ず歳を取り、老いていくと思います。
80歳になってみないと解らないこともあると思います。


■以下、祖母の語りより

・歳を取る(老いる)と感受性が弱まるから 情けない
・いつもアンテナを張っている状態でいたいんだけど、そういう意欲がなくなってくるのが情けない
・(創作意欲は)歳を取ったら弱まるものだと自覚してる
・「あっ これ!」 というネタが乏しくなってくる。なかなかアンテナにかかってこない。
・(オフ会参加者に)「どうしたら良いか?」と尋ねたら、きっと「いつも ネタを探すことを頭に入れておけ」と言われると思う。

・歌(短歌)への想いが希薄になってきてる。結果的にアンテナを張るのが衰えてる。
・もっと 意欲を持って、やろうという気がないと書けないということがわかってきた。
・無理矢理に自分に言い聞かせないと書けない。
・昔は、自然に「これ、歌にしよう」とピンときていた。それが現在はピンとひらめかない。
 けっきょく脳が動いていない。
・現在は、「なんとか歌になることがないかな?」と探さないといけない。

・若い頃は、なんとも思わなくても歌になること(ネタ)に出会えてきた。
 若い頃は、ネタが向こうから来てくれた。
 今は逆。こちらからネタに向かっていかないといけない。

・ネタを見つけるようにすることが四六時中頭にあるかどうか。
 ぼーっとしてたら、感覚が衰えてくるから、
 自分からとりあえず衰えないように
 しょっちゅうアンテナを張らないとダメ。

・ずっと精進しないと
 どんなものにでもいえることやけど
 失せてしまう
 短歌にしても俳句にしても 然り。

・結社に入っていたら どうしても作らないといけない。
 結社から離れてしまうと 自ずから低下していく そういうことを経験した。

・歳を取ったからといって、短歌を作るのをやめようとなってしまった。
 年寄りは年寄りなりに 上手にしなくても 自分のために自分で楽しんで続けていくことが大事。
 いまは短歌から離れていたことを反省(後悔)している。
 命のあるかぎり書いていく。
 年寄りは年寄りらしく 背伸びせずに続けていく。

・いい歌を上手に作ろうとせずに 自分の楽しみで続けていくことに意義がある。
 と思う。


以上、祖母の語りからでした。
偉そうなことを言ってるのは、現代詩フォーラムの皆様へのメッセージではなくて、孫(私)に対するものです。
ちなみに祖母は「自分は偉そうなことは言えない」と申してました。年齢は関係ないのだと。

--

祖母が今、前向きに短歌を楽しもうとしてくれていることが嬉しいです。

祖母の短歌を投稿するときに 投稿する短歌を一首ずつ祖母に声に出して読んで貰ってます。
発声・朗読が脳に良いとか。そう信じて声出して読んで貰ってます。
ついでに声を聴きながら、投稿する短歌に誤字脱字がないかチェック。

短歌一首一首を話のタネに祖母とお話しします。
祖母の短歌には最近では使わないような言葉や漢字が出てきて、学べることが多いです。
新鮮であったりします。
ハンガーのことを「衣紋掛け」、コーヒーカップを「珈琲茶碗」というようなのが個人的に好きです。

短歌のタイトルが"『短歌2』より"となっているのは、投稿開始時に『短歌1』のノートが見つからなかったからです。
現在は『短歌1』のノートも発見されております。

祖母が昭和三十年代に書いた短歌を投稿したときに
祖母が「こんな古い歌、出しても良いのかなぁ」と言ってまして、
「百人一首なんて、もっと古いやん。平安時代やで!」というやりとりがあったり。

投稿した短歌にポイントが入ったり、コメントを頂いたりすると「書かないとなぁ。書きましょう。」と毎回言ってます。


読者からの反応があると創作熱は上がるみたいです。
おかげさまで、二、三首程度ですが、最近書きました。ありがたいことです。
祖母の感性が 「ネタが向こうからやってくる」ぐらいまで戻らないにしても、多少マシになれば幸いです。
いや、現状維持でも御の字。

祖母の短歌にコメントくださる方に御願いがあります。
もしよかったら、どの短歌が気に入ったのか書いてくださると ありがたいです。
祖母が どの歌が良いと思って頂けたのか気にしてますので。
(一首ずつ投稿したら、ポイントを目安に祖母に「これ人気あるよ」と言えるのですけどね。)
「二首目が良かった」とか「3首目がステキ」とか、コメント頂けたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします m(_ _)m


先月も書きましたが、
祖母の作品に触れてくださった皆様と 現代詩フォーラムに
家族一同より 心より厚く御礼申し上げます。
もちろん、祖母自身も感謝しております。ありがとうございます。

今後とも祖母と祖母の短歌(川柳も書きたいと申してました)を よろしくお願いいたします。


散文(批評随筆小説等) 祖母のこと 2007年7月 〜 祖母からのメッセージ Copyright 北大路京介 2007-07-21 03:06:12
notebook Home 戻る