幸せな生活
海月
自由な生活が手に入れた
楽しい事や笑う事が多く
傷付いた心が治癒された
もう、戦場には戻れない
好きな時に起きて眠って
気がついたら一日終わっている
この生活に「幸せ」の二文字を見つけた
普通に生活している人を
僕は部屋の中から馬鹿にしている
何をそんなに頑張っているの?
どうして、そんなに必死になるの?
二次元の世界に引き込まれ
リアルが目の前から消えた
真昼の空色に眩しさを覚えた
久しぶりに外に出たくなった
だけど、人に会うのが怖くて
外出が出来るのは夜になった
伸びた髪も切りに行きたいけど
人に会う勇気が持てずに
自分で無理して切る
だから、余計に人に会えなくなる
どんなに自由な生活をしていても
心の何処かに穴が開いて
表情や感情が解らない
リアルで言葉を交わすことを忘れた
自分の声がどんなものだか忘れてしまっている
慌てて声を出してみてもそれが自分のか解らない
人の顔がどんなものか忘れた
他人の顔がどんなものだか忘れてしまっている
記憶を呼び起こしてみてもその顔が本当が解らない
自分が何がしたいのか、解らない。
相談する人もいない
友達と呼べる人は周りにいない
二次元の世界では勇者だけど
現実世界では村人以下の存在
そのギャップのせいで踏ん切りがつかない
結局は言い訳を作って逃れる
ベランダから外を眺める
あの白い鳥は何処に飛ぶ?
知らぬ土地を目指す勇気
僕に少しだけ分けて欲しい
僕を外に出してくれる為に
手探りで「幸せ」の二文字を探した
この生活にあるのは偽物だった