(きこえて、いますか)
yuri.
さわらして、
と
言った
しずかな午後がふる
街角の
記憶 
つまさきから
うまれてはいけない、
と
たゆたう
あなたの声が
流線型になる
夕方
のこと
目をさまして
そのまま
暮れてゆく
* 
真夏の
きりさめ、
あかるいベランダに
こぼれおちた
フレーズの
 (とおくに、
   うもれているんでしょう
   微炭酸の海、
    
  間延びした
   せかいの、
    はじまり
*
素粒子が
ふぞろいな、
午後
の
はなし、
こうふくな
寝息をたてる
あなたの
となりで
とめどなく
遠くなる、
空を、みて
まわりつづける
せかいの
横で、
あらゆる声が
ちらばって
やさしい
うたに、
 
 
