二番目のきみへ
小川 葉

霧のポケットから
たよりなくこぼれおちる
飴でできた郵便受けに
新しい手紙が届く

閉ざされた空から降り注ぐ
涙の化石ひとつひとつを
言葉に記すように雲のページは
静かに静かにめくられてゆく

あなたは二人乗りの自転車を
どこまでも漕いでゆく

二番目のきみへ

唐突にそう結ばれてわたしは
息を止めたままベッドへ飛び込み
深海魚のいるあたりまで潜る

血は青く青くとけてゆき
気をうしなうまで

波打ち際であなたは
また新しい手紙を書いている


自由詩 二番目のきみへ Copyright 小川 葉 2007-07-19 21:24:02
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