蝉時雨 
服部 剛

( 世界は 
( 透けた瓶の内にある 

森の小道を裸足で走り 
汗をかいたラムネの器の底を手に 
真夏の空に傾ける 

( 星のころがる、音がする。  

蝉時雨せみしぐれの降りそそぐ少年
つめたいものがのどをとおる  
少しうるんだ瞳の先
真綿の雲間に 
波打つ
陽炎かげろうの空  

( 世界は 
( 透けた瓶の内にある 





自由詩 蝉時雨  Copyright 服部 剛 2007-07-19 17:35:51
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