秋の帰り道
優飛



気付かないうちに
また季節が巡り
なにげない日常の色が
景色に映っていく


変わり行く景色
変われない自分
微かな秋の気配
いつもの帰り道


ふと拾い上げた落ち葉一枚
何気なく火をつけてみる
わずか数秒
火は少し燻ってすぐに消えた

理由なんて程のものじゃなく
その様子が切なくも滑稽で
急に笑いが込み上げてきた


どれくらい笑っていたのか
それとも泣いていたのか


私は三分の二になったそれに
自分と同じ名前を付けて
ポケットにねじ込むと
足早に家路を急いだ


空はまだ微かに明かりを残していた






自由詩 秋の帰り道 Copyright 優飛 2007-07-18 12:28:20
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