秋の帰り道
優飛
気付かないうちに
また季節が巡り
なにげない日常の色が
景色に映っていく
変わり行く景色
変われない自分
微かな秋の気配
いつもの帰り道
ふと拾い上げた落ち葉一枚
何気なく火をつけてみる
わずか数秒
火は少し燻ってすぐに消えた
理由なんて程のものじゃなく
その様子が切なくも滑稽で
急に笑いが込み上げてきた
どれくらい笑っていたのか
それとも泣いていたのか
私は三分の二になったそれに
自分と同じ名前を付けて
ポケットにねじ込むと
足早に家路を急いだ
空はまだ微かに明かりを残していた