夢の話
葉流音

 
深い海を
描いてみて
七色の魚を
泳がせる
ゆっくり
ゆっくり
沈んで
でたらめを
好きなように
歌いながら
そっと
目を閉じて
揺らいでる思考
掬い上げて
笑いかけて
キスをして
そしたら
海月になって
たゆたう
ららら
見上げたら
星が滑り込み
きらきら
光りだす
 
そんな絵を
書こうと笑う
今日会った人
明日はもう
行くのだと言う
灰色けしきに
埋もれそうな僕
洒落た消しゴムを
ひとつ残して
消えてく背中
何も言えなくて
さよならもなくて
またねも なくて
僕は
石なんか
蹴ったりして
手の中に
握り締めた
消しゴムを
机の上に
転がして
月が
どうしてか
違って
見えた
そんな
錯覚をした
 


自由詩 夢の話 Copyright 葉流音 2007-07-18 00:39:42
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