さ よ な ら
松本 涼

さ よ な ら

ロウセキでアルファルトに書いた

さ よ な ら

声に出して読んでみると
更に文字はアスファルトの上で白く浮き上がった

さ よ な ら

道行く人が小さく読み上げながら
少し微笑んで通り過ぎた

さ よ な ら

ばたばたと鳩が飛んできて

の上でフンをした

さ よ な ら

西日が眩しく照らして
文字はアスファルトに沈んでいった

さ よ な ら

だけど
それはとても遠い昔の出来事

さ よ な ら

音だけが今も
こちらを向いている





自由詩 さ よ な ら Copyright 松本 涼 2007-07-17 22:12:09
notebook Home 戻る  過去 未来