らむね
まりも
初めてラムネを飲んだのは
確か5歳のときだった
ママとパパに連れて行ってもらった
近所の夏祭り
小さなベンチに腰掛けて
ガラス玉を落としてくれたのは
パパだった
ビンに口をつけて
直接物を飲むことは
普段は禁止されてたのに
ラムネだけ、特別に例外を許された
どうしてガラス玉が出てこないのか
不思議でたまらなくて
飲み干したラムネのビンを
逆さにしたり振ってみたり
いろいろ試したのに結局
ガラス玉を手に入れることは
できなかったのだ
見えるのに触れない
音もするのに取り出せない
透明なただのガラス玉が
とても貴重な宝石に見えた