雑季
たもつ


雨やみて雲雀の飛んだ水たまり

何を見て驚いたのか鯉のぼり

紫陽花がたくさんのいろ人みたい

桃をむく香りと北へ寝台車

空目指し向日葵たちが背比べ

アリが来てわたしの足を踏んでいる

夏の雲人の形を忘れた日

行く夏に音だけ残すオートバイ

通過する台風の目を犬と見た

朝きのこは静かに胞子を蒔いて

泥だらけ初めて作った雪だるま



俳句 雑季 Copyright たもつ 2007-07-16 10:38:40
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