Red
砂木
火をつけた
裸ではないから あなたは
時の中へ流れて行く
服の重みに
囚われてやしないかなって
灯籠から 灯りをこする爪の音
ぼんやりとあふれてるぬくみに
口をつけて すすってみても
澄んでしまった明るさだけで
傷つけてもくれない
地に行く支度は 夢にはない
じっと 座り込んで
黙り込む
彼方は
時の中へ流れて行く
手をひくものを信じるな
今のあなたを
知らない手
ただ両手で
暖めてやればいい
自由詩
Red
Copyright
砂木
2007-07-16 05:22:13