みどり よびこ
木立 悟
家の陰の家
窓に映る窓
白詰草 光の辺
鳥と風 声の影
低い曇を照らす原
曇とともに揺れる原
歩むもののないにぎやかな道
川岸に沿い 川に重なり
流れとは逆にたなびいている
花が花をとおりぬけ
手の裏側の水へ落ち
水に水を描いては沈む
風と 風の上のこと
空と 空の上のこと
小さく密な 草のひろがり
遠いかたちが手のひらをすぎる
色や声や大きさのそのままに
そのままにそのままにすぎてゆく
自由詩
みどり よびこ
Copyright
木立 悟
2007-07-15 21:51:50