めざめ
佐和
深過ぎて暗すぎる長いトンネルの中から
白いほど淡い黄色のぼやけた広がりを
遠くに感じる
井戸の底に落ちてしまった幼子が
恐怖と孤独で夜通し泣き果て
疲れて迎えた
まだ暗い夜明けのように
(人生には回避不能な困難がすべての人に訪れる。
でも選択可能な自由もすべての人に与えられている。
その自由を何にどう費やすかもその人の自由だ。)
避けられない不幸にぶち当たって
自分の自由を
難解な問題を解くことに費やしていた
気づかないうちに暗く難しい色に染めていた
降りかかってきた真っ黒な人生に翻弄され
せっかくのフリーな自分まで奪われたかのように
抵抗する気力すら無いまま
果てしなく沈み続けていた
生きていれば黙っていても苦難は来るから
自由を暗闇に捧げるなんてもったいない
難しくばかり考えなくていい
世界は感じかた次第で
今よりもっと明るくわかりやすくなる
魔に支配されないで
自由を売り渡さないで
不幸に縛られないで
背負い過ぎないで
心配や不安を解きほぐして
取りこんで
柔軟なあかるい光を
固まってしまった黒を溶きほぐす柔らかい空気を
明るくさわやかなそよ風を
たんじゅんなあかるさを
そして
周囲を取り巻く人たちとは違う
自分自身のありのままを
愛おしく大切にまもってあげて