白
アキラ
うつくしい白を見た
白はすなわち無、というわけではなく
様々な存在を表現していた
やさしくあたたかな白を見た
白は世界をつつみこむかのような
やわらかな空気を生みだした
ゆるやかに時間が進む
つめたく孤独な白を見た
白はひとりで涙をこらえながら
頑なに世界を拒んでいた
そこだけ時間が静止する
どこかうらやましくなる白を見た
白は迷いをただよわせることなく
世界に自分を誇示していた
新しい時間が流れ出す
うつくしい白を見た
白に人を重ねている自分がいた
様々な存在が時間を動かす
そんな世界と重ねていた
人と創造物のつながりを見た